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VAMOS! HISA第4回 小野大輔「フットサルに対するストイックさは1、2を争う存在」

   

7月1日に自伝「笑顔のパス」を発表した湘南ベルマーレの久光重貴。

自身が患った肺がんと向き合いながら、現役選手としてプレーを続ける元フットサル日本代表は、自伝の中で「多くの人に支えられてきた」と綴っている。

同時に、久光は多くの人たちの支えにもなって来た。この連載では久光と関わりを持った人たちから、久光にメッセージを送ってもらう。

第4回は、現在も湘南ベルマーレでともにプレーするチームメイトの小野大輔からのメッセージ。

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ヒサと初めて会ったのは、僕がまだフトゥーロにいた頃ですね。何年前とか細かくは覚えていないけど、ヒサがカスカヴェウにいたときに対戦した記憶が残っています。当時は全然知らなかったけれど、試合ではマッチアップすることもあったし、なにせヒサはいかつかったので(笑)。強烈に『いかついヤツが来たなぁ』と感じたのは覚えていますね(笑)。それからずっと挨拶くらいはしていたけど、ほとんど話すこともありませんでした。

 

 その後、僕が府中に在籍していたとき、小田原で湘南と対戦することがありました。そのとき、ヒサは骨髄炎の治療中で、「大丈夫?」と声を掛けたら、「いや、ちょっと…。頑張ります」って、ものすごく物腰が柔らかかったので『こんなに物腰が柔らかかったんだ!』と驚かされました。さらに、その後、湘南でチームメイトになってからは、めちゃめちゃ優しくて、あのギャップは半端ないですね。ヒサとの出会いは、こんな感じですね。

 

 僕はどちらかというと私生活のヒサよりも、選手としてのヒサの印象が強くあります。実際にチームメイトになってからも、フットサルに賭けるストイックさは、今まで会ってきた人の中で1番、2番くらいかなと思うくらい。でも、ヒサはそれをあんまり外に出さない。表情や言葉にも出さないし、誰かのせいにして「おい!」とか言うわけでもない。僕なんかはバンバン言いますからね。「おい、ヒサ! パス出せよ!」「動き見ろよ!」とか。それに対してもヒサは、すごく冷静に「ごめん、小野くん次は見るよ」とか、そうやって冷静に返してくるんです。普通、「なんだよ!」って言い合いになってもおかしくないけど、ヒサはいつもそんな感じ。ただ、納得ができないこと、違うなと感じたことに関しては、「いや、小野くんもっとこっち(のパスコースを)切って」とか、「今のこうして」とか、すごく対等にやってくれる選手だったので、やりやすかったですね。周囲のアドバイスにも耳をしっかりと傾けますし、探究心はすごく強いなと思います。

 

 他人に対してはそうやって優しい反面、自分には本当に厳しいのがヒサだと思います。試合中にヒサ自身がミスをしたときは、とにかく厳しくて。孫悟空が三蔵法師に付けられた金の輪が、ヒサの頭にも付いているんじゃないかっていうくらい、眉間にグイグイとシワを寄せながら考え込んでいますからね。

 

 ヒサの病気については、練習に来なくなって、なんとなくは耳に入っていました。ちゃんと聞いたのは、チームメイト全員の前でヒサに話を聞いたときでしたね。そのときは、何も考えられなくなりましたね。ブラックホールにバーンって吸い込まれたような。もう、完全に『無』になっていました。

 

 それから、いろいろなことを考えましたけど、個人的には「ヒサのためにも、死ぬ気で頑張ります!」なんて言葉は、簡単に、軽々しくは言えないなと思うんです。いま、フットサルをやれるという環境があることを感謝して、再確認しながら、自分のために一生懸命に頑張った結果、ヒサもヒサ自身のために頑張る。結局、そういう関係でしかいられない。だから、軽々しく「ヒサのために頑張るよ」とか、「頑張れ」と僕は言えません。もちろんヒサの一つひとつの行動からは刺激を受けるというか、パワーをもらわざるを得ない。けれども、だからといって「ヒサも頑張っているから、オレも頑張ろう」というのとは、ちょっと違う感じなんです。病気になっても、病気になる前も、僕にとってヒサはチームメイトであることに変わりがないんです。

 

 ヒサは自伝で、「チームメイトで一番メールを送ってくれる」と書いてくれていたけど、それも特に意識しているわけではないし、ましてや気を使っているわけでもない。単純に、ヒサが練習に来ることができないから、今日はこんなことがあったよと送っているくらい。そんなに特別なことは送ってないし、「今日、メシ行ける?」って聞いて一緒に行けたら行く。そんな感じですよ。

 

 ヒサのペースで、やるべきことをやって、それでまた一緒にケンカしながら、言い合いしながら、何かに気を使うことなくボールを蹴ろう! そうやってお互いにぶつけ合えるのが理想だと思うし、ヒサはそこにいるべき存在。だから、病気になったからといって僕が「大丈夫か、ヒサ?」「どうだ?」と気を遣う必要はないのかなと。まだ現役の選手だからね。引退したら、考え方が変わるかもしれないけど、今はチームメイトだからね。僕は僕で、普通にボールを蹴っているから。また一緒にボール蹴って一喜一憂しようぜ!

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