フットサルを蹴る、見る、着るそして上手くなる。唯一のフットサル専門誌

【最新号のナビ立ち読み企画 第一弾】中村友亮インタビュー「背の小ささは逆に武器になる」

      2014/12/26

最新号のフットサルナビから、記事をお見せする“立ち読み”企画がスタート。第一弾はアグレミーナ浜松の中村友亮選手のインタビューを紹介します。

『背の小ささは逆に武器になる

アグレミーナ浜松 中村友亮

写真高橋学

写真:高橋学

なかむら・ゆうすけ 1986年10月6日生まれ。静岡学園からJリーグ・ヴィッセル神戸、FC琉球を経て、2011シーズンよりフットサルに転向し、バサジィ大分で活躍。2014シーズンからアグレミーナ浜松へ移籍。小柄な体型ならではの瞬発力と、テクニカルな足技を活かしたドリブルが持ち味。日本代表としても活躍する。154cm、51kg

フットサル選手にとって、身長の低さはハンディキャップでしかない――。そう思っている人も多いのではないだろうか。

しかし、中村は自身の身長を逆に武器にして、日本代表にまで昇り詰めた。弱点と思われている部分をストロングポイントに変える、その秘訣を聞いた。

 

文:橋爪充 写真:高橋学
text by Mitsuru Hashizume
photo by Manabu Takahashi

 

どこで勝つのかといったら

そこしかない

 11月28日、浜松アリーナ。Fリーグ第23節のアグレミーナ浜松と府中AFCの対戦は、前半に1点ずつを奪い合い、試合の最終局面を迎えていた。
 残り2秒。37分からパワープレーを続ける府中のシュートをキャッチした浜松ゴレイロ川原永光が、相手ゴール前にピンポイントのレーザーショットを放つ。猛ダッシュで走りこんだのは、ずっと2列目右で守備をしていた中村友亮だ。会場全体から湧き上がる悲鳴、歓声。だが、ホームゲーム初勝利の夢を乗せたボールは、バックステップを踏んでジャンプした中村の頭を経て、無情にもゴール右へそれた。
 健闘を称える拍手の中、整列する浜松の選手たち。中村は悔しさを全身ににじませながら、府中の選手一人ひとりと、丁寧に握手をした。
 身長154センチ。中村はFリーグ登録の中で最も小柄な選手だ。「体の小ささについては、何度も聞かれていますね。もう慣れました」と笑う。
 サッカーを始めた小学生のころから周囲より一際小さかった。
「相手に体をぶつけられて何度も転ばされて。そんなところから、転ばされないようにするにはどうすればいいかを常に考えるようになりました。静岡学園高校に入ってからは、自分の体格をサッカーでどう生かせるかを真剣に考え続けました」
 同高2年時に全日本ユースで準優勝。右ウイングのレギュラーとして、チームに大きく貢献した。卒業後はプロの道に進み、Jリーグのヴィッセル神戸、JFLのFC琉球を経て2011年にFリーグのバサジィ大分に加入した。今年3月のスペイン遠征で日本代表に初招集。今季は故郷静岡県の浜松に移籍し、中心選手として活躍する。
 浜松の運営会社社長を務める和泉秀実は「小さければ小さいなりにストロングポイントがある。友亮はそれを知っている選手だと思います」と言う。
 浜松の前身・田原FCなどでプレーを続け、2000年代初頭には日本代表にも選ばれている和泉は、2016年、2020年のワールドカップで中村が日本代表に選出されることを期待している。
「自分をよく理解していて、ピッチ上での表現の仕方がわかっている。はっきりしたプレーをするのが彼の強みでしょう」
 中村は「フットサルに転向して良かった。サッカー時代より、僕の特徴を生かせていると感じています」と話す。プレーを見ていると、小柄であることのハンディを感じない。身長の低さは彼にとって、フットサル選手としてのアイデンティティーの一つだ。
「パワーやフィジカルコンタクトは、どれだけがんばっても大きい選手には勝てない。でも、そこではなく、細かいステップやスピードで勝負していけば対等にやりあえます」
 前述の府中戦にも、そうしたプレーが随所にちりばめられていた。182センチのソロカーバ、180センチの上福元俊哉ら、上背がある頑強な選手が多い府中。中村は自分より頭一つ以上大きい相手に対して、攻守両面で工夫を凝らしていた。
 オフェンスでは、ボールを受ける前のフェイクの入れ方に特徴がある。重心移動の瞬間的な速さが武器だ。
「大きい選手はステップが大きい。だから、相手を先に動かすことを心がけています。1度どちらかに体を振ってまた戻れば、その間に振り切れて1~2メートルはマークを離せる。そうすれば体を当てずにボールがもらえる」
 主体的に『ワナ』を仕掛け、相手のバランスを崩してマークを遠ざける。
「フットサルに転向する前は使っていなかった動き。大分時代に小曽戸選手や仁部屋選手ら、日本代表のボールの受け方を見て研究しました」
 受けた後のボールの動かし方も繊細だ。縦パスを足裏で瞬間的にズラす。
「足下にボールを止めて相手の体を抑えると不利になってしまう。素早く動かしながらキープすることを心掛けています。スキがあったらいつでも前を向けるように」
 このスタイルを裏打ちしているのが、攻守が切り替わる際の「1歩目」。浜松の試合を見続けている人なら、ゴレイロのリスタートで中村が誰よりも早く動き出していることに気付く。「どこで勝つのかといったら、そこしかない」という覚悟で、高校時代から磨いてきた長所だ。
「切り替わった後にすぐダッシュ、というのは体に染みついた動きです。クリアランスでゴレイロが持った瞬間に、マークより1歩でも2歩でも先に走っておけば、先に100%のスピードが出せる。それで振り切れる」
トップスピードへの動きを頭に描き、サーキットトレーニングでは、笛が鳴った瞬間に周囲より1歩でも2歩でも早く足を出すことを心掛ける。
「高校時代からやり続けています。誰でも意識し続ければ変わると思いますよ」

瞬間的な速さを意識した
得点への動き

 今季はライン際で仕掛けるシーンが多い。大分ではフォアチェックからボールを奪い、シンプルに別の選手に預けて自分はセカンドポストに急ぐ場面が目立った。だが、浜松ではチーム事情もあり、突破を求められる。
「本当はドリブラーではないんですけれどね」と謙遜するが、スピードに乗ったドリブルで、チャンスを何度も作り出す。前をふさがれたら、体の中央にボールを置き、左右の足踏みをするように細かいフェイントを入れて相手をかく乱する。
「1対1の場面では、相手の体の向きと切り方を見ていますね。スピードには自信があるので、中を切ってきたら迷わず縦に運んで。ただ、縦に行きたいのは相手もわかっている。味方のピヴォと相手ディフェンスの位置を両方見ながら、パスかドリブルを選択しています」
 昨季のリーグ戦ではシュート60本で15ゴールを挙げた。25%はリーグ屈指の決定率。シュートのイメージも、自らの瞬間的な速さを意識したものだ。
「パワーがないから、ロングシュートの回数が少ないんです。あんまり打っていないので、データ的には成功率が高くなるんじゃないですか(笑)。大分にはドリブラーがいたし、僕がセグンドにいたら必ず仕掛けてくれていました」
 今季で言うなら、第8節湘南戦の初ゴールが一つの理想形と言える。前半終了間際。中央を突破し、左の曽根田盛将との高速ワンツーを決め、ゴールを陥れた。相手ゴレイロとDFの間の狭いエリアにトップスピードで入った。
「ボールを預けて戻ってきて。キーパーがちょっとずれていて、その空いているところを狙う。大分の時はほとんどそれで取っていました」
 小柄であるがゆえの動き出しの早さは、狭い局面でこそ生きる。ラストパスの出し手との呼吸が命綱。大分では新加入の2011年度こそ5ゴールだったが、3年目の2013年度は15ゴールを挙げた。ここまで3ゴールの今季は、移籍初年度のチームで選手間の共通理解が未だ醸成されていないとも言える。

守備の場面で
できること、できないこと

 相手チームにボールキープされることが多い浜松に移籍してからは、ディフェンスでの貢献も光る。「中村はディフェンスの選手」という関係者もいるほどだ。
 特有のステップで、ポジショニングを常に微調整する。その動きを見ていると、局面ごとにマークする選手との距離を細かく変えていることがわかる。相手にとっては飛び込んでくるのか、そうではないのか一瞬判断に迷う距離。バックステップ、クロスステップの速さも、明らかに他の選手を凌駕している。
「ボールが動いているときに、いかに自分のマークに寄せられるか。これで勝負が決まります。距離を取りすぎると、スピード、パワーで持っていかれてしまう。相手をスピードにのせないことを目的にプレッシャーをかける。これがきちんできれば、相手は横に渡すか、斜めに戻すしかなくなります」

………というわけで、立ち読みはここまで。続きはフットサルナビ2015年1月号で、ぜひご覧下さい!

 

購入はこちらから↓↓
http://www.amazon.co.jp/dp/B00Q7EUM9M

 - Fリーグニュース, インタビュー/コラム

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

岡部将和のドリブルクリニックが11月14・15に浜松で開催!

11月14・15日に、浜松と名古屋の共同開催となるFリーグ29&30節の …

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 全12チームの登録選手&スタッフが発表!

Fリーグ公式サイトにて、SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2 …

浦安・米川監督が語る、名古屋の強さとは

Fリーグ第28節、浦安vs名古屋。首位攻防戦で白熱の試合を戦い終えた米川監督が、 …

吉村謙一のFKリーグレポート No.2

日本人初の韓国フットサルリーグ(FKリーグ)プレーヤー、吉村謙一。   …

3/23 Fリーグ入退団情報一覧

2014/2015シーズンも終了し、続々と発表される入退団情報。そこで、今までに …

すみだの連勝がついに途切れる!【ゼビオFリーグ第7節】

7月29〜31日にかけて『SuperSports XEBIO Fリーグ2016/ …

Fリーグ 2017/2018プレーオフ日程が発表に!

Fリーグより、DUARIG Fリーグ 2017/2018 プレーオフの日程が発表 …

明日開催、Fリーグオールスターゲームが生中継!

    明日、宮城県のゼビオアリーナ仙台で開催される『Fリー …

府中が皆本の負傷!復帰まで8ヶ月!

府中AFCより所属する皆本晃の負傷について発表があった。 10月18日(日)に行 …

名古屋が新監督&ブラジル代表獲得を発表!

本日、名古屋オーシャンズから来季へ向けた新体制の発表が行われた。 発表によると、 …