ブックメーカーの還元率は、賭け金の払い戻し割合のことで、還元率が高いほど稼ぎやすいと言われています。
しかし実際はそうではなく、還元率が低くても手堅い試合のオッズが高い場合があります。
この記事では還元率や控除率の考え方と計算方法を紹介していきます。
また主要ブックメーカー同士の還元率、日本のギャンブルとの還元率をわかりやすく比較します。
ブックメーカーの還元率と控除率
還元率は賭け金の総額から払い戻される割合のことで、払戻率とも呼ばれます。
還元率は他に「RTP(Return to Player)、期待値、機械割、出玉率」などとも呼ばれます。
パチンコやスロットでの出玉率と同じ意味です。
控除率は賭け金に対して胴元に取られる手数料のことで、ハウスエッジとも呼ばれ、控除率により得られるお金はブックメーカーの運営経費となります。
つまり還元率が高い=稼ぎやすいと考えることができます。
還元率・控除率の計算
還元率=1÷(オッズの逆数を足したもの)×100
オッズの逆数は「1÷オッズ」で計算できるので、この試合でのオッズの逆数は
イングランド勝利:1÷1.37=0.7299…
イラン勝利:1÷10.5=0.0952…
引き分け:1÷4.90=0.2040…
このような計算になり、すべてを合計すると
0.7299+0.0952+0.2040=1.0291
この数字を計算式に当てはめると
1÷1.0291×100=97.17%
となり、この試合における還元率は97.17%となります。
また控除率は100%から還元率を引いた数字であるため
100-97.17=2.83%
この試合における控除率は2.83%と算出できます。
ブックメーカーと日本のギャンブルの還元率比較
ギャンブル | 還元率 |
---|---|
ブックメーカー | 95% |
パチンコ・スロット | 85% |
競馬 | 74.1% |
競輪 | 75% |
競艇 | 74.8% |
オートレース | 74.8% |
サッカーくじ(toto) | 49.6% |
宝くじ | 45.7% |
ブックメーカーの還元率は変動しますが、平均して95~97%程度と言われています。
日本国内で提供されるギャンブルは、還元率(払戻率)が法律で定められており、総務省の公式サイトで確認できます。
ブックメーカーと日本のギャンブルを比較すると、ブックメーカーは還元率が圧倒的に高いことがわかります。
すべて100から還元率を引くと胴元の利益になるので、馴染みの深い宝くじはなんと54.3%が控除率(胴元の利益)ですから、ちょっと不公平が過ぎます。
日本でもグレー状態で経営されているパチンコ・スロットが最も還元率が高く、それでも85%程度ですから、いかにブックメーカーが健全な運営をされているか、還元率だけを見ても明白でしょう。
ブックメーカーは世界中にユーザーがおり、オンラインで経営するため運営コストも安いため、還元率を高く設定できている背景があります。
ブックメーカーの還元率は変動する
ブックメーカーではオッズは常に変動し、試合によってもオッズがことなるため、還元率は賭ける試合やタイミングによって変動します。
例えば上で例に挙げたワールドカップ イングランド vs イランでは還元率が97.17%でした。
同じワールドカップのセネガル vs オランダでは
セネガル勝利:1÷6.2=0.1612…
オランダ勝利:1÷1.64=0.6097…
引き分け:1÷3.85=0.2597…
0.1612+0.6097+=0.2597=1.0306
1÷1.0306×100=97.03%
この試合の還元率は97.03%と、同じブックメーカーでも試合によって還元率が異なります。
また同じ試合でもオッズが変動すれば、還元率も変わります。
ブックメーカーの還元率を比較
ブックメーカー | サッカーの還元率 | テニスの還元率 |
---|---|---|
スポーツベットアイオー | 97.17% | 92.67% |
bet365 | 95.56% | 92.78% |
10BET(旧賭けリン) | 95.60% | 94.26% |
カジ旅 | 96.33% | 92.67% |
ウィリアムヒル | 94.33% | 92.78% |
ピナクル | 97.74% | 95.07% |
主要ブックメーカーにおける還元率を、同一試合で計算し比較したものです。
この比較からピナクルが最も還元率が高いがわかりましたが、主要ブックメーカーは総じて高い還元率を誇っています。
これ以外でもブックメーカーは還元率90%以上が基準になっているので、還元率にそれほど大きな差はありません。
ブックメーカーの還元率を気にしすぎない【オッズが重要】
ブックメーカーの還元率は知識として持っておくことは重要ですが、重視しすぎる必要はありません。
例えば手堅い賭け項目でオッズが高いにも関わらず、他のオッズが低いブックメーカーの方が還元率は高いこともあり得るためです。
どのブックメーカーに賭けるかはあくまでオッズの数字で判断するべきでしょう。