ブックメーカーで稼いだお金には税金がかかります。
ブックメーカーの利益は一時所得になるので、50万円以上稼いだ場合は税金が発生すると考えておきましょう。
税金の早見ポイント
- 給与所得のある方は70万円以上稼ぐと税金がかかります
- 給与所得のない方は98万円以上稼ぐと税金がかかります
- 扶養に入っている方は38万円以上稼ぐと扶養が外れます
ブックメーカーの税金概要
ブックメーカーで稼いだお金には税金がかかります。
ブックメーカーで稼いだお金は「一時所得」に分類され、50万円の控除があります。
稼いだ金額が50万円以下の場合は、いかなる立場でも税金はかかりません。
稼いだ金額が50万円を超える場合は、立場によって納税の必要性や税金額が変わってきます。
ここで言う立場とは、会社員・アルバイト・学生・扶養家族などを指します。
それぞれの立場における金額や計算方法は後述しますが、まずはブックメーカーの税金についてもう少し見ていきましょう。
ブックメーカーの配当金は一次所得になる
税の種類 | 概要 |
---|---|
一時所得 | 営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得 |
雑所得 | 利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得 |
事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得 |
ブックメーカーで稼いだお金にかかる税金は、基本的に「一時所得」に分類されます。
一時所得は経費として認められる範囲がとても狭く、勝利時の賭け金のみしか適用されません。
継続的にブックメーカーを利用している場合でも、外れた時の賭け金は経費として認められません。
外れた時の賭け金を経費として計上するには、ブックメーカーで得た所得を「雑所得」や「事業所得」として納税する必要がありますが、とても難しいのが現状です。
「雑所得」や「事業所得」に分類されるケースはとても稀で、営利目的として継続的な収入があり、恒久的に利益がある場合で、投資目的であることの証明ができる場合のみ適用されます。
このように「雑所得」や「事業所得」として申告することは、とても例外的で難しいです。
ブックメーカーで事業所得として認められるには、プレミアリーグ ブレントフォードのオーナーのように企業としてオッズを理論的に分析し、継続的に勝利を重ねていく必要がありそうです。
ブックメーカーの税金額
雇用状況 | 税金が発生する利益のライン |
---|---|
会社員 | 70万円 |
パート・アルバイト | 70万円 |
専業主婦・学生 | 98万円 |
ブックメーカーで稼いだお金に税金が発生するラインを、雇用状況別に表したものです。
ここで言う利益は「ブックメーカーでの勝利金から勝利時の賭け金を引いたもの」を指します。
外れた時の賭け金は差し引けませんので注意しましょう。
それぞれの雇用状況別での税金について詳しく見ていきます。
給与所得がある方(会社員・パート・アルバイト)
会社員・パート・アルバイトなど給与所得のある場合、給与以外の所得が20万円を超える場合に確定申告が必要となります。
この記事の冒頭で説明したように、ブックメーカーで得た利益は「一時所得」に分類され、一時所得には50万円の特別控除があります。
つまり確定申告が必要となる20万円と合わせ、ブックメーカーで70万円以上を稼いだ場合は確定申告が必要となります。
70万円から経費として差し引けるのは、「勝利時の賭け金のみ」であることに注意しましょう。
学生・専業主婦がブックメーカーで稼いだ場合の税金
税金が発生する利益のライン | |
---|---|
学生・専業主婦 | 98万円 |
パート・アルバイト | 70万円 |
扶養 | 38万円 |
学生や主婦など正社員雇用でない方がブックメーカーで稼いだ場合に、税金が発生するラインを表でまとめたものです。
いずれも1/1~12/31の期間内の利益で、例えば学生が12/30に50万円、翌年3月に50万円を稼いだ場合は98万円を超えますが、年度が異なるため課税はされません。
ここで言う利益は「ブックメーカーでの勝利金から勝利時の賭け金を引いたもの」を指します。
外れた時の賭け金は差し引けませんので注意しましょう。
それぞれの状況別での税金について詳しく見ていきます。
学生・専業主婦 - 給与所得のない場合
学生・専業主婦(主夫)など給与所得のない場合は、48万円の基礎控除があります。
この記事の冒頭で説明したように、ブックメーカーで得た利益は「一時所得」に分類され、一時所得には50万円の特別控除があります。
つまり基礎控除の48万円と合わせ、ブックメーカーで98万円以上を稼いだ場合は確定申告が必要となります。
98万円から経費として差し引けるのは、「勝利時の賭け金のみ」であることに注意しましょう。
パート・アルバイト - 給与所得のある場合
パート・アルバイトなど給与所得のある場合、給与以外の所得が20万円を超える場合に確定申告が必要となります。
この記事の冒頭で説明したように、ブックメーカーで得た利益は「一時所得」に分類され、一時所得には50万円の特別控除があります。
つまり確定申告が必要となる20万円と合わせ、ブックメーカーで70万円以上を稼いだ場合は確定申告が必要となります。
70万円から経費として差し引けるのは、「勝利時の賭け金のみ」であることに注意しましょう。
扶養に入っている場合
ブックメーカーで38万円以上(合計所得金額)を稼いだ場合、扶養から外れてしまいます。
ブックメーカーで得た利益は一時所得に該当し、一時所得も扶養の判断基準となる合計所得金額に含まれるため、一時的な利益であっても扶養から外れてしまいます。
扶養から外れてしまうので、国民健康保険や住民税の金額も上がってしまいます。
扶養に入っている方は、ブックメーカーの利益が38万円を超えないように注意しなければいけません。
ブックメーカーの税金計算
税金の計算式
ブックメーカーの税金 = (稼いだ金額 - 勝利時に賭けた金額 - 50万円) × 50%
ブックメーカーの税金は上の計算式で算出できます。
稼いだ金額から「勝利時の賭け金」を差し引き、更に50万円の特別控除額を引きます。
ブックメーカーの税金は一時所得に分類されるため、一時所得の税率50%が適用されます。
「稼いだ金額 - 勝利時に賭けた金額 - 50万円」が0円以下になれば、税金は発生しないことになります。
負けた賭け金は経費計上できない
例えばブックメーカーで100万円儲かったとします。
その100万円を使って賭け続け、全部負けてしまったとします。
この場合「負けた時の賭け金は経費にできない」ため、勝利した100万円にのみ税金がかかり、手元には1円も残っていないにも関わらず、100万円に対する税金を収めなければいけません。
とんでもなく理不尽ですが、これが一時所得の税金の仕組みとなっています。
ブックメーカーの税金確定申告のやり方
確定申告のポイント
- ブックメーカーの収支をメモしておく
- 毎年2月16日~3月15日までの期間に申告を行う
- 管轄の税務署、郵送、e-Taxで申告手続きを行う
ブックメーカーで稼いだ金額が控除額を上回った場合、確定申告の手続きが必要です。
エクセルなどでブックメーカーの収支をメモしておくと、確定申告手続きの際に便利です。
申告は収支メモで十分ですが、賭け勝利時の明細をスクリーンショットしておくと、わかりやすいのでおすすめです。
確定申告は毎年2月16日~3月15日までの期間に手続きを行いますが、後になるほど窓口やシステムが混雑しますので、早いうちに済ませておくのが良いでしょう。
確定申告の手続きは居住地の管轄税務署、郵送、e-Taxにて書類を提出できます。
e-Taxを利用するにはマイナンバーカードが必要です。
確定申告に必要なもの
確定申告に必要なもの
- 本業の源泉徴収票(サラリーマン・パート・アルバイトの場合)
- 支払調書(ブックメーカーの賭け履歴)
- 経費の領収書(一時所得なので経費は賭け金のみ)
- マイナンバーカード(e-Taxを利用する場合)
源泉徴収票は年末に勤務先から受け取るもので、破棄せず手元に残しておきましょう。
支払調書はブックメーカーでの賭け履歴をプリントアウトしておくか、エクセルなどにメモ書きしたものでも構いません。
経費の領収書については、ブックメーカーでの利益は一時所得に分類されるため、勝利時の賭け金のみ対象となります。
支払調書で賭け金・勝利金が確認できれば、そちらと同一で良いでしょう。
e-Taxを利用して確定申告を行う場合、マイナンバーカードが必要です。
マイナンバーではなく、マイナンバーカードが必要となるので、e-Taxでの確定申告を予定している方は、事前に取得しておきましょう。
ブックメーカーの税金でよくある質問
確定申告すると勤務先にバレますか?
バレずに申告できます。
ブックメーカーの利益を確定申告したことがバレる原因は、住民税徴収票が勤務先の会社に届いてしまうことです。
確定申告書に「給与所得者がその他の所得にかかる住民税の徴収方法」という項目があるので、これを「普通徴収」にチェックしてください。
これにより住民税徴収票が自宅に届くため、勤務先の会社にバレることはありません。
出金しなければ税金はかからない?
課税されます。
ブックメーカーの配当金は、賭けに勝利した時点で課税対象となりますので、出金をしなくても税金がかかります。
日本国内の銀行へ送金した時点での課税ではないので注意しましょう。
税金を払わないとバレますか?
バレる可能性があります。
ブックメーカーへの入出金は、決済サービスと利用しますので、お金の流れは税務署に筒抜けと考えて良いです。
ブックメーカーの納税義務を怠ると無申告課税の通知が届き、最悪の場合脱税とみなされる恐れがあります。
この場合、「附帯税」を追加で支払わなければいけません。
附帯税は国税法に基づく行政処分であり、税の優遇(控除・償却など)が受けられなくなります。
また借り入れなどを行うこともできなくなり、悪質なケースでは脱税として逮捕・懲役となり、10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金、もしくはその両方を科される可能性があります。